日本芸術文化振興会の報告書「我が国のマンガ・アニメーション分野における自主制作活動等に関する実態調査」が公開されました
2019年度に報告書を提出した「我が国のマンガ・アニメーション分野における自主制作活動等に関する実態調査」(NPO法人知的資源イニシアティブ委員として)が2020年秋に公開されました。
これは、主に「マンガ・アニメのプロ活動以外の実態について、数量などを調査してみた」というものです。なにかしらの数的論拠になるものと思いますので、論文などに活用していただければ。
「我が国のマンガ・アニメーション分野における自主制作活動等に関する実態調査」
https://www.ntj.jac.go.jp/assets/files/kikin/artscouncil/jisyuseisaku.pdf
・「カートゥーン」の制作活動に関する実態
・「同人誌」の制作活動に関する実態
・「インディペンデントアニメーション」の制作活動に関する実態
のうち池川担当として「カートゥーン」「同人誌」分野の調査・ヒアリングなどを行い、報告書にまとめました。
■「カートゥーン」については、
・2018年9月、全国新聞・地方新聞を含めてすべての新聞をめくり、「その月一番1コママンガを描いているか」を統計調査した(岡部拓哉さんの調査による)
・「日本にどのくらい1コママンガ家がいるか」の調査をした (日本漫画家協会の協力による)
・下記の1コママンガ家、関係者へヒアリング(インタビュー)を行った
ウノ・カマキリ(カートゥーン作家、公益社団法人日本漫画家協会理事)
篠原ユキオ(カートゥーン作家、京都精華大学教授、FECO JAPAN 会長)
茨木正治(東京情報大学教授)
野谷真治(1コママンガ誌『EYEMASK』編集人、蒼天社代表)
はまのゆか(カートゥーン作家、絵本作家)
チョン・インキョン(カートゥーン作家、東京工芸大准教授)
■「同人誌」については、
・2018年1年間、地方のイベントも含めて、「1年間にどのくらいマンガの同人誌即売会が開催されたか」を数量調査した(玉川博章さんなどの調査による)
・同人誌即売会主催者へのアンケートなどによって、2018年時点の「サークル数」「同人誌出版点数・頒布冊数」「頒布金額(同人誌の市場規模)」について推計した(玉川博章さん、全国同人誌即売会連絡会などの調査による)
・下記の同人誌即売会主催者へヒアリング(インタビュー)を行った
コミックマーケット準備会(共同代表:市川孝一、広報担当:里見直紀)
コミティア実行委員会(代表:中村公彦、実行委員:吉田雄平)
ガタケット事務局(代表:坂田文彦)
株式会社ユウメディア(副社長:山崎暁)
というものです。特に赤字部分、各ヒアリングについては、おそらくこれまで調査・文書化されたことがほとんどなく、今回初めて明らかになったことが多くあります。
どこぞの○○総研とかのお手盛り調査でない、リアルに近い数字が出ていると思いますので、ぜひ参照していただければと思います。